甘草(かんぞう)の概要
甘草(かんぞう)は、植物由来の生薬で、主に根を乾燥させて用います。
漢方では、さまざまな処方に配合されることがあり、のどや胃腸の不快感などが話題になる場面で使われることがあります。
ただし「甘い=安全」という意味ではありません。甘草は副作用が知られている生薬のひとつなので、体調や併用薬に合わせて、医師・薬剤師に相談しながら確認することが大切です。
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伝統的に期待されてきたはたらき(漢方での考え方)
甘草は、漢方の考え方では「刺激や痛みをやわらげる方向」「つっぱり・けいれんのような不快感を整える方向」などで用いられることがあります。
- のどの不快感、声がかすれる感じなどが話題になる処方に含まれることがあります。
- 胃腸の不快感(胃の痛み、吐き気、腹部の張りなど)に関連する処方で用いられることがあります。
- 筋肉のつっぱりや、けいれんのような症状が話題になる処方で使われることがあります。
ただし、症状が強い、長引く、繰り返す場合は、原因の確認が必要なことがあります。漢方だけで判断せず、受診・相談を優先してください。
含まれる成分(分かる範囲で)
甘草には、一般にグリチルリチン(グリチルリチン酸)などの成分が含まれることが知られています。
ただし、成分の量は原料や加工で変わることがあり、成分から効果や安全性を決めつけることはできません。研究段階の話を含め、断定は避けます。
材料(基原)・どこから作られる?
甘草は、一般にマメ科の植物の根(または根茎)を乾燥させた生薬です。
- 甘草は、食品(甘草入りのお菓子・飲料)やサプリ、のど飴などにも使われることがありますが、用途や量、品質管理の考え方が異なることがあります。同じ感覚でまとめて摂らない方が安全です。
不明点がある場合は、医師・薬剤師に相談してください。
注意点・副作用・受診の目安
ここは重要です。甘草は、体質・体調・併用薬によって副作用が起こることがあります。特に、摂り過ぎや重なりで問題が起きることがあるため、自己判断で量を増やさず、医師・薬剤師に相談してください。
甘草のとり過ぎで起こることがある副作用(偽アルドステロン症)
難しい名前ですが、「体の中の塩分・水分のバランスがくずれて、むくみや血圧の変化が出ることがある」というイメージです。次のような症状が出ることがあります。
- むくみ(顔、まぶた、足がはれる)
- 血圧が上がる、頭が重い感じがする
- だるさ、力が入りにくい
- 筋力低下、こむら返り(足がつる)
- 動悸、脈が乱れる感じ
これらの症状に気づいたら、早めに医師・薬剤師へ相談してください(無理に続けないことが大切です)。
特に相談が必要な人(目安)
- 妊娠中・授乳中の方、子ども、高齢の方
- 高血圧、心臓・腎臓の病気がある方、むくみが出やすい方
- 処方薬を服用中の方(飲み合わせの確認が必要なことがあります)
併用(重なり)に注意が必要なことがあります
- 複数の漢方薬を同時に使うと、甘草が重なって入ることがあります。
- 市販薬やサプリ、のど飴などにも、甘草(グリチルリチン)が含まれることがあります。
「いくつも少しずつなら大丈夫」とは言い切れません。重なりが心配なときは、薬剤師に成分を見せて確認するのが安全です。
そのほかの注意
- アレルギー症状(発疹、かゆみなど)が出ることがあります。症状が出たら使用を中止して相談してください。
- 胃腸の不調(吐き気、腹痛、下痢など)が出ることがあります。つらいときは無理に続けず相談してください。
「副作用はない」「安全」などと言い切ることはできません。早めの相談が、重くなる前の予防につながります。
この生薬が含まれる代表的な漢方薬
- 安中散加茯苓(あんちゅうさんかぶくりょう)
- 安中散(あんちゅうさん)
- 胃苓湯(いれいとう)
- 烏薬順気散(うやくじゅんきさん)
- 烏苓通気散(うれいつうきさん)
- 温経湯(うんけいとう)
- 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
- 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
- 黄ごん湯(おうごんとう)
- 黄連湯(おうれんとう)
- 乙字湯(おつじとう)
- かっ香正気散(かっこうしょうきさん)
- 葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
- 葛根湯(かっこんとう)
- 葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 甘草湯(かんぞうとう)
- 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
- 桔梗湯(ききょうとう)
- 帰脾湯(きひとう)
- きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
- きゅう帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
- 九味檳榔湯(くみびんろうとう)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
- 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
- 桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)
- 桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)
- 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝湯(けいしとう)
- 桂枝人参湯(けいしにんじんとう)
- 啓脾湯(けいひとう)
- 桂麻各半湯(けいまかくはんとう)
- 香蘇散(こうそさん)
- 五虎湯(ごことう)
- 五積散(ごしゃくさん)
- 五淋散(ごりんさん)
- 柴陥湯(さいかんとう)
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
- 柴朴湯(さいぼくとう)
- 柴苓湯(さいれいとう)
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
- 滋陰降火湯(じいんこうかとう)
- 滋陰至宝湯(じいんしほうとう)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 四君子湯(しくんしとう)
- 梔子柏皮湯(ししはくひとう)
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
- 芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 潤腸湯(じゅんちょうとう)
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
- 小柴胡湯(しょうさいことう)
- 小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
- 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
- 升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
- 参蘇飲(じんそいん)
- 神秘湯(しんぴとう)
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
- 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
- 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
- 清肺湯(せいはいとう)
- 川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
- 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
- 大防風湯(だいぼうふうとう)
- 竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)
- 治頭瘡一方(ぢずそういっぽう)
- 治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)
- 調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
- 釣藤散(ちょうとうさん)
- 通導散(つうどうさん)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
- 当帰飲子(とうきいんし)
- 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
- 当帰湯(とうきとう)
- 二朮湯(にじゅつとう)
- 二陳湯(にちんとう)
- 女神散(にょしんさん)
- 人参湯(にんじんとう)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
- 附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
- 平胃散(へいいさん)
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 麻黄湯(まおうとう)
- 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
- 麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)
- よく苡仁湯(よくいにんとう)
- 抑肝散(よくかんさん)
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 立効散(りっこうさん)
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
- 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
まとめ
甘草(かんぞう)は、漢方でのどや胃腸の不快感、つっぱりなどが話題になる処方に配合されることがある生薬です(断定はできません)。
根を用いる植物由来の生薬で、いろいろな漢方薬に入ることがあるため、重なりに注意が必要です。
むくみ・血圧上昇・こむら返り・動悸などが出たら早めに相談し、市販薬やサプリも含めて成分の重複を医師・薬剤師に確認してください。
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