大棗(たいそう)の概要
大棗(たいそう)は、クロウメモドキ科の植物「ナツメ」の果実を乾燥させて用いる生薬です。
漢方では、胃腸の弱り、体力の低下、緊張しやすい状態などが話題になる場面で、体質に合わせた処方に含まれることがあります。
料理やおやつに使われる「なつめ」と同じ植物由来ですが、生薬は医薬品として用いられるため、食品と同じ感覚で使わないことが大切です。
伝統的に期待されてきたはたらき(漢方での考え方)
大棗(たいそう)は、漢方の考え方では「胃腸の働きを助ける方向で体を整える」「気持ちの緊張をやわらげる方向で用いられる」と説明されることがあります。
- 食欲低下や胃の不快感がある場合に話題になることがあります。
- 疲れやすさや体力の低下が気になるときに処方に含まれることがあります。
ただし、「体力が必ず回復する」「胃腸が良くなる」といったように効果を言い切ることはできません。症状が強い/長引く/悪化する場合は受診を優先してください。
含まれる成分(分かる範囲で)
大棗(たいそう)には、糖類(ブドウ糖など)やポリフェノール類などが含まれています。
これらの成分が体の調子に関係すると考えられていますが、研究段階の知見もあり、成分から効果を断定することはできません。
材料(基原)・どこから作られる?
大棗(たいそう)は、ナツメの果実を乾燥させて作られます。
- 食品とは異なり、医薬品として品質や規格が管理されています。
- 産地や加工方法によって品質に差が生じることがあります。
製品について不明な点がある場合は、医師・薬剤師に確認してください。
注意点・副作用・受診の目安
大棗(たいそう)を含む漢方薬がすべての人に合うとは限りません。体質・体調・併用薬によって注意が必要なことがあります。
- 糖類を含むため、糖尿病や血糖コントロール中の方は、使用前に医師・薬剤師へ相談してください。
- 妊娠授乳中・小児・高齢の方・持病のある方・服薬中の方も、使用前に医師・薬剤師へ相談してください。
- 腹痛、下痢、吐き気などの胃腸症状や、発疹・かゆみなどのアレルギー症状が出た場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。
受診目安(次のような場合は早めに受診)
- 食欲不振が長く続く、体重が減ってきた
- 強い腹痛、嘔吐、血便や黒色便がある
- 発熱が続く、強いだるさがある
- 症状が数日以上改善しない、または悪化する
自己判断で長期連用しないでください。増量や継続についても、必ず医師・薬剤師に相談してください。
「副作用はない」「安全」と言い切ることはできません。
この生薬が含まれる代表的な漢方薬
- 胃苓湯(いれいとう)
- 烏薬順気散(うやくじゅんきさん)
- 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
- 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
- 黄ごん湯(おうごんとう)
- 黄連湯(おうれんとう)
- かっ香正気散(かっこうしょうきさん)
- 葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
- 葛根湯(かっこんとう)
- 葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
- 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
- 帰脾湯(きひとう)
- きゅう帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
- 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
- 桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)
- 桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)
- 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝湯(けいしとう)
- 啓脾湯(けいひとう)
- 桂麻各半湯(けいまかくはんとう)
- 五積散(ごしゃくさん)
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
- 柴陥湯(さいかんとう)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 柴朴湯(さいぼくとう)
- 柴苓湯(さいれいとう)
- 四君子湯(しくんしとう)
- 炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
- 小柴胡湯(しょうさいことう)
- 小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
- 参蘇飲(じんそいん)
- 清肺湯(せいはいとう)
- 大柴胡湯(だいさいことう)
- 大柴胡湯去大黄(だいさいことうきょだいおう)
- 大防風湯(だいぼうふうとう)
- 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
- 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 平胃散(へいいさん)
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 六君子湯(りっくんしとう)
まとめ
大棗(たいそう)は、胃腸の弱りや体力低下が話題になる処方に用いられることがある生薬です(断定はできません)。
ナツメの果実から作られ、食品とは用途や管理が異なります。
血糖管理中の方は事前に相談し、症状が続く場合は受診を優先してください。
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