腸癰湯(ちょうようとう)


腸癰湯(ちょうようとう)の効能

盲腸部にしこりがあったり、痛みがあり腹部が膨満している人に用います。軽い虫垂炎、月経痛などに用います。


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適応される症状

  • 虫垂炎
  • 月経痛

配合生薬

配合生薬の効能

よく苡仁(よくいにん)

よく苡仁は消炎、排膿、強壮、鎮痛薬として、慢性胃腸病、潰瘍、悪性腫瘍、神経痛やリュウマチなどの痛み止めに用いられています。

不飽和脂肪酸エステルのコイキセノライドは、マウスのエールリッヒ腹水ガンに延命効果が認められている他、熱水抽出エキスにヒト末梢血リンパ球、ヒトTリンパ芽球性白血病細胞、ヒト悪性黒色種細胞などに対する細胞障害活性が報告されています。

多糖体のコイキサンAには、動物実験いより著しい血糖降下作用が認められています。

アルコール抽出エキスはエールリッヒ腹水胆ガンマウスで制ガン作用を示し、メチルトランスフェラーゼ活性、ホスホリパーゼA2活性ならびにプロスタグランジンE2産生を抑制します。

よく苡仁には、排卵を誘発するテルペノイド誘導体が含まれていますので、妊婦と便秘がちの人は避けた方がいいです。

冬瓜子(とうがし)

冬瓜子には利尿、緩下、消炎の作用があり、漢方製剤に配合されるほか、民間療法もかなり広いです。漢方では排膿、消炎性利尿薬として、内臓の化膿症などに処方されます。

脂肪油とサポニン類、少量のアデニン、トリゴネリンを含有します。

民間療法では、腫物があって体にぬくみがあるようなときは、冬瓜子を煎じて飲みます。また冬瓜の果皮を日干しにして刻んだものを保存しておき、急性腎炎などで体がむくんだとき、煎じて分服します。そのほか冬瓜子と白桃花を同量粉末にして蜂蜜で練り、ソバカスをとるのに用いる療法が有名です。

牡丹皮(ぼたんぴ)

牡丹皮は鎮静、鎮痛、消炎作用があり、漢方で血行不順に関係する婦人病薬として、芍薬とならんで多用されますが、単独で用いられることなく、駆お血(血の流れの改善)処方に配合されます。

主成分は、フェノール類のペオノールやモノテルペノイド配糖体のペオニフロリンなどで、いずれも鎮痛、鎮静作用が認められています。ペオニフロリンにはまた、大腸薗、ブドウ状球薗、連鎖状球菌などに対して増殖抑制作用があります。その他タンニンを多く含みます。

牡丹皮は体質的には体力があり、便秘がちな人に適用されます。

桃仁(とうにん)

桃仁は漢方処方で、消炎性駆お血(くおけつ:血の改善)薬、通経薬、緩下(下剤)薬に配合されますが、単独では、生理痛生理不順、更年期障害などに用いられます。花蕾に緩下、利尿効果があるといわれています。

民間的には、種子には浄血、鎮咳、消炎作用があることが知られていますが、鎮咳効果は青酸配糖体のアミグダリンによるものです。その他、葉は薬湯料として、肌荒れやあせもによいとされています。


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漢方薬の使用上の注意


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