附子(ぶし)の概要
附子(ぶし)は、キンポウゲ科の植物(トリカブト類)の塊根(かいこん)を用いる生薬です。地下にできるふくらんだ根の部分が材料になります。
附子は強い毒性をもつ生薬として知られており、そのままでは危険なため、必ず加工(炮製:ほうせい)を行い、毒性を弱めてから使用されます。
漢方では、体の冷えや強いだるさなどに関連する処方に配合されることがありますが、症状の改善を断定するものではありません。
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伝統的に期待されてきたはたらき(漢方での考え方)
漢方の考え方では、体が冷えて力が出ない状態や、体の機能が弱っていると考えられるときに用いられることがあります。
ただし、症状が強い場合や長引く場合は、重大な内科的疾患が隠れていることもあるため、自己判断せず医療機関を受診してください。
含まれる成分(分かる範囲で)
附子にはアコニチン類などの成分が含まれています。これらは強い作用をもつ成分であり、毒性にも関わるものです。
そのため、適切な加工によって毒性を弱めてから使用されます。研究は行われていますが、特定の症状に対する効果を断定できるものではありません。
材料(基原)・どこから作られる?
附子は、トリカブト類の塊根を採取し、乾燥させたものです。
生のままでは危険性が高いため、加熱などの加工(炮製)を行い、毒性をできるだけ弱めたうえで用いられます。食品とはまったく異なるものであり、医療用として厳重に管理されたものが使用されます。
産地や加工方法によって品質や安全性に差が出ることがあるため、自己流で扱うことは非常に危険です。
注意点・副作用・受診の目安
附子は強い毒性をもつ生薬です。自己判断での使用は避け、必ず医師・薬剤師の指導のもとで使用してください。
妊娠中・授乳中の方、小児、高齢の方、持病のある方、服薬中の方は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
口や手足のしびれ、動悸、吐き気、めまいなどが現れた場合は、直ちに使用を中止し、医療機関に相談してください。発疹・かゆみなどのアレルギー症状が出た場合も同様です。
- しびれが強い、広がっていく
- 動悸、息苦しさ、胸の痛みがある
- 意識がぼんやりする、強いめまいがある
- 嘔吐や下痢が続く
このような症状がある場合は、緊急性のある状態の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
「副作用はない」「安全」と言い切れる生薬ではありません。長期連用や自己判断での量の調整は絶対に行わないでください。
この生薬が含まれる代表的な漢方薬
- 烏苓通気散(うれいつうきさん)
- 葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)
- きゅう帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
- 香蘇散(こうそさん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
- 滋陰至宝湯(じいんしほうとう)
- 芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)
- 真武湯(しんぶとう)
- 川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)
- 大防風湯(だいぼうふうとう)
- 竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)
- 当帰芍薬散加附子湯(とうきしゃくやくさんかぶしとう)
- 二朮湯(にじゅつとう)
- 女神散(にょしんさん)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
- 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
まとめ
附子は、トリカブト類の塊根を用いる生薬で、体の冷えなどに関連する処方に配合されることがあります。
強い毒性があるため、必ず加工してから使用されます。
しびれや動悸、意識の異常がみられた場合は緊急受診レベルで対応が必要です。使用は必ず医師・薬剤師に相談してください。
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