うつ病(鬱病)


うつ病(鬱病)の原因

うつ病の原因は二つの側面があり、それは「心の問題」と「脳内物質レベル」です。「心の問題」とは、仕事や人間関係などによるストレスや悩みなどがうつ病の原因になる場合です、「脳内物質レベル」は脳内の栄養不足より、セロトニンなどの脳内伝達物質が十分に合成されないため、うつ病になるのです。「気分」は心の持ち方だけでは決まらず、脳内の栄養状態によっても左右されます。

「脳内物質レベル」によるうつ病の原因は3つあります。

  1. 血糖値の乱高下
  2. 栄養素の不足(ビタミン ミネラル 脂肪酸など)
  3. 脳内伝達物質の材料になるアミノ酸の不足(トリプトファン フェニルアラニンなど)

上記3つのうつ病の原因の詳しく解説。

1.血糖値の乱高下によるうつ病発症のメカニズムは、脳のエネルギーは唯一糖類です、白砂糖や精製デンプンなどの食べると直に血糖値が急上昇する食品(このような食品は高GI食品と呼びます)を摂取しますと、膵臓から多量のインスリンが放出され、今度は血糖値が下がりすぎて脳内がエネルギー不足になります。このため不安やイライラ、疲労、うつ状態などになるのです。

2.セロトニンやアドレナリンなどの脳内伝達物質は、アミノ酸からたくさんの酵素の働きにより作られますが、これらの酵素はビタミンやミネラルなどの補酵素の助けがないと、働きませんので脳内が栄養不足になると、脳内伝達物質が少なくなり、うつ病になるのです。主にビタミンB群、ビタミンC、亜鉛などです。

3.脳内伝達物質の材料はアミノ酸です。これらの材料となるアミノ酸が脳内に供給されないとセロトニンやノルアドレナリンなどが作れずに、うつ病になります。

3種類のうつ病

うつ病にも種類がありまして

・セロトニンが不足すると、気分が落ちこみや不眠、不安、イライラなどの症状がでます。セロトニンの材料はアミノ酸のトリプトファンになります。

・アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンが不足すると、物事に対してやる気がなくなったり、疲労、睡眠の過多などの症状が現れます。これらの脳内伝達物質の材料はアミノ酸のフェニルアラニンとチロシンになります。

・またまれに「フェニルエチルアミン」と呼ばれる脳内伝達物質の不足によりうつ病になる場合があります。フェニルエチルアミンは恋愛中に脳内に多量に方出されるため「恋愛物質」とも呼ばれてまいています。このフェニルエチルアミンの材料は、アミノ酸のフェニルアラニンです。

どのタイプのうつ病の判断は試行錯誤しなければ、判りません。もしアミノ酸のフェニルアラニンを服用してみて、「せき立てられる思い」が出るようであれば「フェニルエチルアミン」は十分であると判断できます。

誤診に注意

鉄不足による貧血の症状はうつ病によく似ているため病院でよく誤診されますので、鉄不足を疑ってもみてください。

またうつ病とされている患者の内3分の1は、躁うつ病(双極性障害)を、うつ病(単極性障害)と誤診されていると言われていますので、注意が必要です。


スポンサードリンク


うつ病(鬱病)に処方される漢方薬

漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。

「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。

  • 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。
  • 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。
  • 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します。

「証」の自己判定テストはこのページの一番最後に載せていますので、ご利用ください。

実証

中間証

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
    抑うつ気分、思考抑制、不安感、焦り、不眠、疲労感、無気力などの症状の場合、多くの方に適合すると思われます。女性の更年期障害、月経不順・月経困難症、自律神経失調症などにも用いられます。
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
    頻尿に加えて、気分がふさぎがちで、不安が強く、神経過敏ぎみの場合に有効です。
  • 柴朴湯(さいぼくとう)
    気分が沈んだ状態の時に用いられます。食欲不振、疲労倦怠、さらに、のどや食道に異物感がある場合に有効です。

虚証

漢方薬以外での予防改善

うつ病は食欲不振になりやすいので、栄養不足にならないように食事の栄養バランスに注意して十分な栄養を摂ってください。脳内伝達物質の材料のアミノ酸を含んだ食品はピーナッツ、バナナ、アーモド、牛乳、チーズ、卵黄、トウモロコシなどですので、積極的に摂ってください。

またうつ病の原因に日光の不足、運動の不足、過剰なストレスなどもありますので、日中十分な日光を浴びながら、散歩などをして心身をリラックスさせてください。

うつ病医療について

うつ病の判断は難しいので、ここでアメリカ精神医学会のうつ病の判断基準を紹介します。

  1. 自分を価値の無い人間と思い、自分を責めたり罪悪感に襲われる。
  2. 死や自殺を繰り返し考える。
  3. 食欲がなく体重が減る、あるいは逆に食欲が増進し体重が増える。
  4. 睡眠障害
  5. 何事にも興味が持てなくなる。性欲の減退。
  6. 身体のエネルギーの消失と疲労感。
  7. 思考力や集中力の低下。

7項目のうち4つの症状が1ヶ月以上つづいたら「たぶん、うつ病」もし5つの症状が該当すれば「確実に、うつ病」と定義しているのが、アメリカ精神医学会の判断基準です。

最後にお医者さん選びは以下の事に注意しましょう。

  1. 薬の処方や副作用について説明しない。
  2. いきなり3種類以上の抗うつ薬を出す。
  3. 薬がどんどん増える。
  4. 薬について質問すると不機嫌になる。
  5. 薬に頼り薬以外の対応法を知らないようだ。

このようなお医者さんで1年以上たっても改善しない様でしたら、病院を変えることをお勧めします。

また栄養療法を取り入れている病院もお勧めです。その他「心の問題」の解決として、保険が適用されませんが、カウンセリングも受けてみる事も大切だと思います。ヨーロッパのカウンセラーは患者と日常の生活について会話をして、うつ病の原因を探します。探し当てた原因に対して患者の消極的な考えを、積極的な考えに導いていきます。この治療方法を「認知療法」と呼びます。


スポンサードリンク


「証」の自己判定テスト

それぞれの質問に点数をつけてください。点数の合計点でおおよその自分の証がわかります。

5=よくあてはまる 4=かなりあてはまる 3=どちらかというとあてはまる 
2=どちらかというとあてはまらない 1=あまりあてはまらない O=あてはまらない

合計101点以上 実証

合計51~100点 中間証

合計50点以下 虚証

 1  がっしりした体格で筋肉が硬い  5  4  3  2  1  0
 2  いつも元気である  5  4  3  2  1  0
 3  肩がいかっている  5  4  3  2  1  0
 4  首が太い  5  4  3  2  1  0
 5  指が太い  5  4  3  2  1  0
 6  顔は赤みが多く、脂ぎっている  5  4  3  2  1  0
 7  目は生き生きして力がある  5  4  3  2  1  0
 8  声は太くて大きい  5  4  3  2  1  0
 9  歩き方がしっかりして力強い  5  4  3  2  1  0
 10  胃腸が丈夫である  5  4  3  2  1  0
 11  便秘がちである  5  4  3  2  1  0
 12  下剤を使っても腹痛はなく、気持ちが良い  5  4  3  2  1  0
 13  冷たい食べ物のが好き  5  4  3  2  1  0
 14  苦い食べ物が平気だ  5  4  3  2  1  0
 15  疲れがすぐに取れる  5  4  3  2  1  0
 16  腹部を押すと弾力性があり、厚みがある  5  4  3  2  1  0
 17  おへそが深くて大きい  5  4  3  2  1  0
 18  動作が機敏である  5  4  3  2  1  0
 19  髪の色つやがいい  5  4  3  2  1  0
 20  脈に充実感があり力強い  5  4  3  2  1  0
 21  あごが張って顔が角ばっている  5  4  3  2  1  0
 22  のぼせやすい  5  4  3  2  1  0
 23  怒りっぽい  5  4  3  2  1  0
 24  食欲が旺盛  5  4  3  2  1  0
 25  のどが渇くとすぐに水分をとる  5  4  3  2  1  0
 26  汗っかきである  5  4  3  2  1  0
 27  風邪など急性疾患にかかったとき、口のなかや舌が乾燥する  5  4  3  2  1  0
 28  爪の色が赤みかかっている  5  4  3  2  1  0
 29  病気にかかりにくい、かかっでもすぐに治る  5  4  3  2  1  0
 30  皮膚は光沢があり、つやがいい  5  4  3  2  1  0

スポンサードリンク


↑ トップページ