-防已(ぼうい)-


生薬 防已(ぼうい)の効能

防已には鎮痛や抗炎症、抗アレルギー作用があります。漢方では利尿、鎮痛薬として関節浮腫、腹水、神経痛、関節リュウマチなどに処方されます。

アルカロイド成分シノメニンに抗炎症作用、抗アレルギー(ヒスタミンの遊離阻害)、抗体産生抑制、鎮痛作用の他、血圧降下作用が認められています。

注意) 生薬(しょうやく)とは漢方薬のもととなっている原料で、植物を中心に、動物や鉱物などの自然由来の原料でできている薬です。


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防已(ぼうい)の原料

防已(ぼうい)の原料「オオツヅラフジ」は、関西以西、沖縄、台湾、中国に分布するツヅラフジ科の落葉つる性低木です。

防已は日本と中国で呼び名が異なり、日本の防已は中国では青風藤(せいふうとう)と呼ばれ、中国の漢方薬に使われている、漢防已(植物名はシマハスノカズラ)とは全くの別物のです。日本薬局方の防已(青風藤)は植物名がオオツヅラフジですから、植物の種類も薬効も異なります。

さらに問題なのが中国の防已に漢防已と広防已(植物名はアオツヅラフジ)があることです。これがいろいろな混乱を起こす原因となっていますが、正統な漢防已は収穫量が少なくて高価、反面広防已は流通量が多いので、こちらが使われることが多いのです。

一時、防已はやせ薬といわれましたが、それは流通量の多い広防已でした。それが見さかいなく飲用されたことがありますが、これにはアストロキア酸という腎不全を起こす毒が含まれていることが分かりました。したがって、防已を含む処方については十分注意して服用してください。

日本の防已(中国名:青風藤)=オオツヅラフジ

中国の漢防已=シマハスノカズラ

中国の広防已=アオツヅラフジ

防已(ぼうい)が配合されている漢方薬


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漢方薬の使用上の注意

漢方薬の副作用

漢方薬の「証」の自己判定テスト


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